道草ノスゝメ

ゲームの記録

【シェンムー】Shenmue the Animation 感想

1999年に発売されたゲームの続編が2年後に、そして18年後にそのまた続編が発売されるという稀有な歴史のあるシェンムー令和の時代にまさかのアニメ化となりました。
本日正午に配信開始となり、さっそくモニターの前に正座して拝見しました。

アニメ化されるという情報を知った時は嬉しさはもちろん、その人気の根強さにあらためて驚かされました。何より安堵したのは主役二人(涼・藍帝)の声を担当されたのが20年前と全く同じ方だということです。
その年月の経過を感じさせない演技はさすが、としか言いようがありません。

ゲームでは涼さんが芭月家に走って向かうシーンから始まりますが、第1話はゲームの中では描かれなかった場面から物語がスタートします。同級生との交流や空手の大会など、涼さんもごくごく普通の一高校生だったということを思い出させてくれました。心なしか涼さんの表情も何となく明るいです。走って家に向かっていたのは稲さんの赤飯目当てだったということが判明(笑)。

家に帰る途中、ゲーム上の流れではまだ登場していなかった原崎さんと榎さんのイベントが差し込まれています(裏技で原崎さんがバトルに加わるというあのシーン)。
原崎さんの声のトーンが高く、ゲームとは印象が全く違います。安さんのあの棒読みだからこその原崎さんであり、滲み出る憂いが払拭されてしまっていて、古参シェンムーファンとしては少々違和感がありました。アニメ版では明るく元気なキャラ設定に変更されたのかな?

服が汚れていないか気遣い、原崎さんに「これ使えよ」と18歳男子高校生が差し出したのが手ぬぐいというあたりはさすが武術家・涼さんです。

(稲さんの赤飯を楽しみに夢中で)家に戻ると、停車している黒い車、折られた芭月武館の看板、と忠実にゲームの流れが再現されていました。
福さんが道場から吹っ飛ばされ、藍帝と対峙するも、あっさり倒される涼さん。この時左頬に傷がつく描写があったのですが、「あれっ?こんなシーンあったっけ?」と気になり、さっそく確認。

……しっかり冒頭から貼られていますね。

なるほど、絆創膏のエピソードをここに持ってきましたか。道理で試合前の顔が明るく(でも何か物足りない)見えたわけです。
ゲームをやっている時は最初から貼ってあったあの絆創膏が気になっていました。しかも藍帝にも同じ場所に傷あるし。何かつながりがあるのでは?と思いながら遊んでいましたが、父の仇である(と思っている)男の息子に自分と同じ傷を負わせた方が、物語としては深みが出るような気がします。

 

事件から数日後の、警察による事情聴取と証拠品提出のシーン、セーラー服姿の原崎さん、味壱デート(?)など、ゲーム本編では見られなかった隙間エピソードがたくさん散りばめられており、とても丁寧に作られているなぁ、と感じました。
涼さんが原崎さんの腹の虫を聞く場面では、声を出して笑う姿が意外と言えば意外。ぶっきらぼうさの欠片もなく、本当に普通にどこにでもいる高校生に見えます。
そして腹の虫からトムの黒い車の目撃談に繋がるのですが、とても自然な流れで「うまく繋げたな~」と感心しました。

そんなこんなでゲームではドブ板を走り回って探した藍帝目撃情報が、着々と集まってきます。

からの、チャイ、芭月武館の道場侵入!(笑)
ここにチャイが潜んでいるとは想定外でした。ゲーセンでのチャイ戦を思い出します。


最後までイラッとしたチャイの股くぐり

 

この道場でのバトルをきっかけに涼さんが立ち上がり、藍帝の行方を追う旅が始まるわけですが、全13話のうちの1話目で朱元達さんの手紙まで進みました。公式サイトでは香港メンバーも公開されているので、少なくとも九龍城には行けるのかな、と期待しています(秀瑛さんがいないのが若干気になる)。

オープニング(第1話ではエンディング)のフォークリフトと裡門頂肘のシルエットに「フフッ…」となりました。


みんな大好きフォークリフト

 

初回から結構なハイスピードで物語が進んでいる印象でしたが、2話以降どんな展開になるのやら。ゲームにはないエピソードもどんな形で作られているのか楽しみです。