道草ノスゝメ

ゲームの記録

【龍が如く7 外伝 -名を消した男-】クリア後の雑感

物語の隙間を埋める『龍が如く7外伝』

シリーズ主人公が『龍が如く6』をもって引退、かと思いきや、春日一番が主役となった『龍が如く7』にサプライズで登場した桐生一馬。
今作は「外伝」と銘打っている通り、「7」の解散宣言会場に桐生一馬が現れた経緯など、舞台裏の物語がメインとなっています。

シリーズ作品としては補完的な位置なのか、ボリュームは今までの作品の1/3ほどの長さだと感じました(個人の感想です)。
しかしそのボリュームとは裏腹に、非常に濃く、かつラストではシリーズをプレイしてきた人は恐らく主人公と共に大号泣となる作品ではないかと思います。

 

あの時あの場所に現れるまでの経緯

『龍が如く6』は、沖縄の養護施設「あさがお」の前を無言のまま去る桐生さんの後ろ姿で幕を閉じました。
春日さんが新主人公となった『龍が如く7』では用心棒役として表舞台に姿を現した桐生さんですが、その存在の大きさゆえ、名前(戸籍)を消したくらいでは誤魔化せるはずもありません。

東城会と近江連合の合同解散宣言会場のシーンは「7」の山場のひとつでした。春日さん一行の物語の裏では何が起こっていたのか、そこに至るまでの桐生さんの足跡が描かれており、視点を変えた同じ場面の描き方は非常に面白いと感じました。
「外伝」クリア後に「この瞬間、桐生さんはどこで何をしていたか」を考えながら、再び「7」を遊び直すのもまた違った面白さを味わえそうです。

 

新主人公になってから初めて「龍が如く」をプレイした方もいらっしゃると思います。
個人的には過去のナンバリングを全て遊んでからの方が、より「外伝」、特にメインストーリー以外のイベントを楽しめるのではないかと思いました。
冒頭の回想シーンに加え、サバイバーで鶴野さんがざっくりとですが、桐生さんと大道寺が関わることになった経緯を説明してくれています(「6」から結構日にちが経っていますしね)。ここらへん、過去作未プレイの方は「6」だけでも遊んで欲しいと思いました。


マスターと会えなかったのが残念!

また、龍が如くスタジオのもう一つの看板作品である「ジャッジシリーズ」から海藤さん・東さん・杉浦君も登場しています。闘技場では東さんや杉浦君を操作出来るという嬉し楽しい仕様になっており、欲を言えば浄龍会メンバーはもう少し育ててみたかったです。

「龍如」&「ジャッジ」2シリーズキャラ夢の共演!

 

おなじみのミニゲームも充実

桐生さん単独主演は実質今作が最後となるため、メインストーリーを除いたところでは思う存分遊んでもらいました(と言っても楽しんでいるのは中の人ですが)。

個人的に楽しかったのはやはりコーディネートですね。
過去作でも着せ替えはありましたが、あくまでもクリア後アドベンチャーでのお楽しみに限られていました。今作は着せ替え状態でメインストーリーも進められてしまうという、コーディネートによっては世界観ぶち壊しになる諸刃の剣のような仕様となっていました。

「変なおじさん」ではなく「怪しいおじさん」でした(笑)

桐生さんを声の人に寄せるコーデと真島の兄さんコーデは恐らくほとんどのプレイヤーがやっているかと思いますが、欲を言えばもう少し衣装を増やして欲しかったのと、ヅラ(とヘアカラー)も欲しかったかな。
草履はあるのに何で大道寺スタイル(作務衣)がないの…(まさか隠し要素とか?)

 

生キャバは思ったより好感度が上がりにくくて苦戦しました。
中の人は女子(おばちゃんですが)なので「どういう感情で遊んだらいいの…」と少々疑問に思いつつ、お寿司が好きだというケイちゃんに寿司詰めをプレゼントしたらリアクションが大きくてびっくりしました。そんなに喜ぶとは思ってなかったので(笑)。
あと、女子ならではの感想かと思いますが「マンモグラフィー検査きついだろうな…」と。
いや、本当に健康は大事ですよ(中の人は乳癌サバイバー)

いつの頃からか実写映像が使われるようになりましたが、個室ビデオ、衣装を着せて撮影会とかビデオチャットなどのミニゲームは、ほぼ男性ユーザーが対象ですよね。
龍如シリーズは女性ファンも意外と多いらしいので、キャバクラだけではなくホストクラブのミニゲームなんかもあったら面白いかもしれません(でも実写じゃなくていい 笑)。
さすがに遊び過ぎで会社の上の人に怒られるかな?

 

意外だったのは、トロフィーにもなっているビリヤードの「ワンショットチャレンジ」の対象がノーマルだったこと。一応EX-HARDまでクリアしましたが、なぜトロフィー対象がノーマルなのか謎でした。しかもノーマルなのに難易度高かった!3時間くらいぶっ続けで練習してしまいました。

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闘技場を最後まで進めて、恒例の亜門さんもクリアしましたが、今作は全体的にトロフィー設定が緩いように感じました。最後の桐生さん主演作ということで、達成しやすい優しい仕様にしてくれたのかもしれません。

次回作『龍が如く8』発売前に遊び倒す予定でしたが、メインストーリーが思ったより短かったことに加え、あっさりトロコン出来てしまったので、今はミニゲームで手付けずだったものを少しずつ消化しています。

 

クリア後は『龍が如く8』体験版を遊べる

日本を飛び出し、シリーズでは初の海外・ハワイが舞台です。
体験版も遊び尽くしたいところですが、とりあえずストーリー編だけ遊んでみました。
物語の途中からなので、感想らしい感想は発売後にまた述べるとして……

一番気になったこと。
「リボルバー」のマスター、どこかでお会いしていませんか?
と思ってググったら同じこと考えている人が結構いました。
かつてある組織に所属し、蜂の巣にされたという「サバイバー」のマスターと同じパターンですかね?

 

「8」で特筆すべきは、やはり桐生さんのイメチェンでしょう。
前髪を下ろしたグレイヘアで年相応の風貌に変わっていましたが、それでも滅茶苦茶カッコいい!心なしか少しスリムになったようにも見えました。
衣装がグレースーツから黒に変わったのも、日の当たる世界で生きられないことを象徴しているのでしょう。
(情報屋さんがプレイヤーの気持ちを代弁してくれていますね……あの土地であの格好は暑苦しい)

既に公開されているストーリートレーラーをあらためて見てみると、ある施設内での事故らしきシーンがあります。髪色も病もそれが原因なのだとしたら、何ともやりきれない思いです。
運転だけで体調悪くなる桐生さん、本当に弱体化されてるんだな…と何となく寂しくなりました。

 

最後に

過去のナンバリング作品を全て遊んできました。
数字順に各作品を思い返してみると、桐生さんは「トラブルに巻き込まれて仕方なく闘う羽目になっている」という印象が強いです。

遥ちゃんと出会ってから運命が大きく変わったと言っても過言ではありません。ご本人的には静かに暮らしていきたいと思っているような描写が、その後の作品の中にもポツポツ表れていることがありました。
いちプレイヤーとしても、カタギに戻ったのであれば、桐生さんにはあさがおで子供たちの成長を見守りつつ、のんびりゆったりと暮らして欲しかったという願いもあります。(まぁそれだとゲームとしてのシリーズが終わってしまいますが)

遥ちゃんやあさがおの子供たちを黒い世界から断ち切るため、文字通り捨て身となった桐生さんですが、ラストの隠しカメラのシーンはこれ以上ないほどの残酷なご褒美で、かなり精神をえぐられました。龍如スタジオは鬼か!

次回作『龍が如く8』はハワイが舞台。沖縄と同じく解放感溢れるリゾート地ですが、メインストーリーは(おそらく)辛いものになりそうな気がするので、「外伝」と同じくサイドストーリーやミニゲームで浄龍さんを楽しませてあげたいです。


コケコッ子もひっそり営業中でした