道草ノスゝメ

ゲームの記録

【龍が如く8】クリア後の雑感

2024年1月26日に発売された『龍が如く8』。お披露目から早くも3か月がたちました。
今まで孤独に闘ってきた桐生さんも、パーティー参加にジョブチェンジ。面白くないわけがありません。
プレオーダーでアルティメット・エディションを購入するという気合いの入れようで、とにかく桐生さんの身に何が起こったのか気になって仕方がありませんでした。

余談から恐縮ですが、1周目はストーリーを把握するためサクッと終わらせようと思っていたら、中の人が新型コロナに感染して2週間ほど寝込み、やむなく中断。
何とか復活してゲーム再開、と思ったら、今度は身内の葬儀で再び中断という事態に。
2月中はほとんど時間が取れず、その穴を埋めるべくその後数週間はプレイに没頭しておりました。

主人公がふたり・それぞれの道

HARDモードの2周目でキャラクターレベルとジョブランクを上げながらドンドコ島の開拓やミニゲームを消化し続け、キャラクターのレベルがそこそこ上がったところでEX-HARDに挑戦することにしました。
(ネタバレあり・ストーリー未クリアの方はご注意を)

 

◆1周目(NORMAL)

どんな物語なのだろうか、という期待感いっぱいでワクワクしながら遊んでいたのですが、とにかく「必然的な寄り道」が多くてなかなか先に進めませんでした。
簡単に言うと、メインストーリー進行中に発生するサブストーリーが多くて、そちらを消化していると物語の没頭感が削がれる感じがしました(話どこまで進んでたっけ?となった)。

1周目で先の展開が見えていないこともありますが、「今回ストーリーのボリュームすごいな…」と思っていましたが、何のことはない、サブや絆、エンディングドラマを途中に挟んでの進行だったからだと、周回後に判明しました。

さて、肝心なストーリーですが、クリア直後の率直な感想は「まだ続くの?」でした。
いや、予想外の展開でした。
桐生さんの病が判明してから悲しい結末しか考えていなかったのですが、大道寺から解放された、ということなんでしょうかね? 元気(でもないけど)な姿があれだけ動画で拡散されてしまっては仕方ないのかもしれませんが。

エンディングドラマではギリギリのところで再会を断念した遥親子との対面も叶ったようで何よりです。桐生さんの今後の療養生活が気になるところですが、癌治療を継続するなら何かと便利な首都圏で暮らし続けるのかなー、と自分と重ね合わせて考えてしまいました。
(中の人も癌サバイバーでリアルエンディングノート用意しています)
残された時間(動ける時間)でやり残したことを済ませ、あとは緩和ケアで人生を終える、という閉め方もありますが、放射線治療を選んだということは、桐生さんはまだまだ生きる意欲があるということなのでしょう。

今作で新たに判明した事情もあって驚いたのと同時に、龍如キャラは本当に深いなあ、としみじみ感じました。悪は悪でその人なりの正義で動いているというか。
シリーズ王道の「敵が味方に、味方が敵に、そしてまた味方に」という展開も期待を裏切ることなく起こってくれて満足でしたが、細かいところに突っ込むとそれちょっと無理があるのでは?という点も多かった気がします。
春日さんの顔立ちがやけに彫深いと思っていた理由が分かったのはともかくとして(前作の時点で出自の設定がされていたのかは謎ですが)、腹違いの兄弟ってどうなんだろう?「親っさんは茜さん一筋設定」吹っ飛んでるけど…って。

極道問題をメインに作っていくのも現代では難しいのだろうな、とも感じました。ただ、時代によってその当時の流行りものを取り込んでいく作り方には本当に感心しています。桐生さん、『0』の時は携帯電話すら持っていませんでしたが、今はスマホやPCを使いこなせているのですから。
Vtuberは言わずもがなで、ソラマメの闇営業ネタなんかはそのまんま時事問題でしたね。

歴代作品を遊ぶと分かりますが、時事ネタ(流行語とか)で「そんなことあったな……」と遠い目になれるのもシリーズの楽しいところです。
エンディングドラマが図らずも走馬灯の役割になっていました。

個性豊かな人たち

さて、新作が出るたびに新たなキャラクターも登場しますが、中でも心に残ったのが山井さんでしょうか。第一印象は「何だかヤバそうな人来た!」と思いましたが、厚手のジャケットを羽織っていた理由が明かされた時は「うわぁ…」となりました。
今作だけの出演で終わらせるにはもったいない。お勤めを終えたらまた出演してくれないかなー、と淡い期待を抱いています。

 

同じく花輪さんも長く出ていただきたいほどナイスキャラだったのですがね……
何かのきっかけで過去が明かされるような展開にならないかな、とこちらも淡い期待がありましたが、それも叶わず。
(次作でしれっと復活してくれないかな)。

 

エイちゃんについては、ラストで前作の若の二の舞にならないかとヒヤヒヤしました。
無事にお勤めを終えて、また春日さんと再会できると良いですね。

それにしても、春日さんの器の大きいこと……
こんな人が身近にいたら、ちょっと気分が沈んだ時でもすぐに元気になれそうです。

 

◆2周目(HARD)

さて、周回の目的はトロフィー取得もありますが、やり残したミニゲームの消化がメインになりました。
主に遊んだのがスジモン集めとドンドコ島です。
どちらも個別でストーリーが展開されるため、じっくりやるならメインストーリーから完全に離れて遊んだ方がいいかな、と思いました。


(リゾートで楽しむ姿が全く想像できないけど興味はあるのか……)

特にドンドコ島は恐らく多くの人が感じていると思いますが、「スジモンの森」というか(島ですが)……
中の人も『あつ森』ユーザーです。木を切ったり岩を壊したり、野菜の収穫やらDIYなどなど、やってること同じだなぁ…と思いながらスジモンたちをなでなでしていました(笑)。

一度島に渡ってしまうと延々と続けてしまうため、適当なところでメインに戻り、次周に向けてのレベル上げをしてからHARDのトロフィーを取得しました。
ラスボス直前でセーブすれば難易度を変更してEX-HARDにも挑戦できますが、試しにやってみたらまだまだ力及ばず、でした。

 

◆3周目(EX-HARD)

NORMALの1周目ではレベル上げ必須でしたが、さすがに経験値稼ぎのためのダンジョン周回作業は不要です。
春日さんはキャラLv92、ジョブランクLv96(初期はハロワ職員)からスタートです。
最初の指南バトルの佐々木さんはLv74だったので、しばらくの間エンカウントバトルはL2押下のクイックバトルで済みました。

ストーリーのムービーはほぼスキップで飛ばせますが、サブストーリーが強制的に入ってくるのはちょっと面倒ですね。寄り道せず、とにかくクリアを目指しました。

武器強化はお金があっても素材が足りないと出来ないので、こちらは刻印を二つ付ける程度の強化で済ませました。ミニゲームのポイント交換でもらえる武器は入手出来ていないものもあるので、クリア後モードで遊んだ時にでも挑戦しようと思います。

そんなこんなで無事EX-HARDもクリアしてトロフィーコンプ出来ました。『7外伝』同様、街歩き要素(ミニゲームやショップ)全クリアとか究極闘技系の項目がなかったため、割と楽に取れた感じがします。
(最後まで残っていたデリバリーヘルプのトロフィーと同時取得)

 

◆パーティーは総勢10人!+意外なゲスト

前作(7)からの続投組に加え、桐生さん・ソンヒ姐さん・トミー・チーちゃんの4人が加わり、パーティーは5人ずつに分かれるものの、全員合わせて10人の大所帯になりました。
そしてクリア後モードにすると、ロード中の8bitキャラが10人揃い、とても可愛いです。

ハワイでの拠点はリボルバーになりますが、全員集合すると何とも賑やかですね。
異人町の拠点であるサバイバーには、カメオ出演であのコンビが出てきてびっくりしました。『7外伝』では闘技場のみの参加でしたが、今回はストーリーにほんのちょっとだけ絡んできて嬉しくなりました。
もしジャッジシリーズの新作があるとしたら、今度は龍如チームからのカメオ出演をお願いしたいです。


ソンヒ姐さんでも緊張する伝説の極道に軽い挨拶の杉浦氏

 

◆まだまだ遊べます

ストーリーはクリアしましたが、プレイスポットが多すぎてやり残したことがたくさんあります。
がっつりとドンドコ島の整備もしたいし(宿と商業ビルの配置バランスが難しい!)、オンラインでいろんな人の島にも遊びに行きたいです。
スジモンもまだ覚醒・進化させてない子(?)がいるし、カジノなどのギャンブル系はあまりやらずに終わってしまいました。
街歩きで素材を集めながらのんびり遊ぼうと思います。
今作で念願のソンヒ姐さんパーティー参加も叶ったし、何より姐さんが思った以上に可愛らしい人だったので大満足です。
(というかコミジュルがネタ集団化していたけど異人町の治安は大丈夫だろうか……)
サバイバーのマスターの素性も確定したのですっきりしました。
詳しい事情は分からないままですが、もう空白の期間は全部外伝(DLC)で作って欲しいです(笑)。


蜂の巣からの生還、この街で店を開くまで一体何があったのか気になります……

 

◆少し重たい話になりますが

発売前に初めてストーリートレーラーを見た時に桐生さんの病気を知ることになりましたが、その時からどうしても自分と重ね合わせて考えずにはいられませんでした。

中の人は桐生さんと同年生まれ、先述しましたが癌サバイバー*1でもあります。

作中の桐生さんの台詞の中には本当に共感できる言葉がたくさん出てきました。
命には限りがある。頭では分かっているのですが、自分には無縁のこと、そんなのまだ先のことだ、という思いがどこかにありました。
しかし、癌告知されるとその「限り」が身近なものに変わってきます。
エンディングノートの話が出た時のナンバさんの台詞。元看護師という設定なのはこの時のためだったのかと思ったくらい、鳥肌が立ちました。

中の人は今のところ落ち着いた状態が続いていますが、いつ再発・転移が起こるか分からず、投薬と経過観察の通院が日常化しています。リアルな話、治療で相当な額の諭吉も手元から去っていきました。

『龍が如く8』をクリアしたばかりですが、『9』が出るまで自分は元気でいられるだろうか、ということを嫌でも考えてしまいます。

 

春日さんとトミーに病気を告白した時の桐生さんは、歴代作品では見たことないくらい優しい顔で心に突き刺さりました。覚悟を決めて現実を受け入れた人の表情。

昨今では生きづらさなどから自ら生きることを放棄する人も多いですが、病気や障害がないことだけでも羨ましい。

たかがゲーム、されどゲーム。

『龍が如く』はフィクションを超えていろんなことを考えさせてくれる作品であり続けて欲しいです。

*1:癌経験者のこと・癌の診断を受けた後を生きていく人