道草ノスゝメ

ゲームの記録

【Stray】クリア後の感想

以前NHKで放送された「ゲームゲノム」でも取り上げられ、そこで初めて知ったゲームですが、番組を見てとても気になったので遊んでみました。
(若干ネタバレあり)

stray.happinet-games.com

 

ストーリーはざっくり説明すると、仲間とはぐれたネコが地下深くまで落下し、そこから脱出する、という内容です。こう書くと何だかあっさりしたゲームだな、という印象ですが、落下した先の舞台は想像以上に過酷な世界でした。

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気が付くと、そこは暗い地下道。恐る恐る歩いていくと、やがてスラム街に辿り着きます。
ここがどんな世界なのか、名もないネコ(プレイヤー)は何の情報もなく、まずはひたすらネオンの文字と直感だけで突き進んでいきます。途中、ネズミのような小さな機械(ZURKと呼ばれる掃除?ロボット)に襲われつつ、訳が分からないまま進んでいくと、建物の一室にあるメッセージを見つけます。

看板の矢印、HELPの文字。誰かに呼ばれてる?

このスラム街、かつて人間が作ったシェルターの最下層で、人間は滅び、ロボットだけが独自の文化を発展させていた場所でした。その言語も人間のものとは全く別で、ネコの相棒となるドローン型ロボット(B-12)が彼らの言葉を翻訳してくれます。

どこからか見られています

 


メッセージの主はこの人?でした

青い空がどんなものか知らないロボットたちの中でも、スラム街を脱出して外の世界(アウトサイド)を目指した者たちがいました。B-12の助けを借りてアウトサイダーと呼ばれる彼らを探し、ネコもシェルターから脱出する冒険が始まります。

 

主人公の名無しネコが出来ることと言えば「鳴く」「ジャンプ」「爪とぎ」「寝る」といった、ごくごく普通の動きだけ。序盤のスラム街では、路地裏のゴミ箱や室外機などから上に移動したり、狭い穴や隙間といった「ネコの通り道」を使ってあちこちを探索していきます。

プレイ中、どうも見覚えのある光景だと思ったら、かつて香港の有名スポットだった九龍城砦がモデルだそうです。迷路のような路地や暗さ、「クーロンズゲート」を遊んだことがある人なら雰囲気が分かるかと思います。


路地の屋根から見たミッドタウン

 

チャプターは全部で12章あり、そこそこボリュームはありますが、ストーリーを追うだけならサクッと遊べそうです。

というのも自分は散策、寄り道が好きなうえに道が覚えられない人で(笑)、同じ屋根の上を行ったり来たりで迷子になりました。要領が悪くてZURKに襲われて何度もリトライし、挙句画面酔いで中断することも多々あったので、初回プレイ時間はクリアまで10時間近くかかりました。


ヒィ!! 思わず足がすくんだ

 

物語を進めるにはギミック(仕掛け)を解く必要がある場所も多いのですが、攻略サイトには頼らず、まずは自分で謎解きをした方が楽しめると思います。
例えば、セキュリティ用のセンサーを通らず向こう側に行くにはどうすればよいのか、という場面では、周りを見渡すと必ず何かしらのヒントがあります。人の目ではなく、ネコ目線で考えると、おのずと答えが見つかるのも面白かったです。

 

途中、中の人が酔いながらも(笑)何とか上層階にあるコントロールルームに辿り着き、シェルターのロックを解除して無事脱出することが出来ました。

スラムとは別世界

 

自販機の飲み物のラインナップが気になる

 

最下層のスラム街にも太陽の光が差し込み、青空が見えるようになりました。

ここまで一緒に冒険をしてきたB-12ともお別れです。
が、個人的には何となく続きがありそうな気がしています(というか作って欲しい)。

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完全に動きを停止したB-12ですが、ラストではその人格(意識)が、解放されたシステムに再び戻ったような描写があります。

小さなボディではなく、壁の中の世界を管理する側に移動したと考えれば、何だか続きの物語がありそうでワクワクします。B-12自身が「住人とネコの未来を見たい」と言っているのはその伏線かもしれません(完全に個人の妄想ですが)。

とにもかくにも、ネコ好きにはぜひ一度遊んで欲しいゲームです。


コントロールルームからの眺め
(人が〇ミのようだ!な気分)